G検定を受けてみた
計画していたG検定の試験が’21/3/20に実施された。先日メールで無事に合格通知が届いたので、やった勉強の内容などをまとめてみる。
G検定受験まで
受験を決めたのが1月中旬だったから、勉強期間は約2ヶ月。知識ゼロの状態ではなかったが、準備期間としてはもう少し余裕があると良かったか。仕事も激務のため、平日は勉強時間が確保しづらかった。
教材
公式テキスト
まずは公式テキスト。
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G検定を主催する日本ディープラーニング協会が作っている対策テキストなので基本だろう。以下のG検定のシラバスの内容に沿った構成となっている。
- 人工知能(AI)とは(人工知能の定義)
- 人工知能をめぐる動向
- 人工知能分野の問題
- 機械学習の具体的手法
- ディープラーニングの概要
- ディープラーニングの手法
- ディープラーニングの研究分野
- ディープラーニングの応用に向けて
1~3は基本中の基本、ほぼ読み物。以下がなんとなくでもわかる人、聞いたことがあるような人であれば、1、2周すれば十分だと思う。
- 人工知能、機械学習、ディープラーニングの関係は?
- 人工知能3度のブームでは、それぞれどんな研究が盛んに行われた?
- 2度の冬の時代に入ってしまった理由は?
- フレーム問題、シンボルクラウディング問題って何?
- 特徴量って何?
- 強いAIと弱いAIって何?
本当に初めて人工知能について勉強する人で、なぜかG検定を受けたい人がいる場合は、別の書籍である程度人工知能についての概観をつかんでおいた方が良いと思う。
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改めてざっくり読み返してみたが、シラバスの1~3の内容が一般向けに解りやすく解説されていると思う。
問題はシラバスの4~6。G検定はディープラーニングに関する試験だから、やはり勉強に時間をかけるべきなのはこの辺りだろう。特に「6.ディープラーニングの手法」についてはテキストでも多くのページを割いて解説している。しかし、CNN(畳み込みニューラルネットワーク)やRNN(リカレントニューラルネットワーク)については他の内容に比べてわかりにくい。特にRNNについては図が何を意味しているのかよく分からない。仕組みの理解はあきらめて、どんな手法が、どんな問題解決に使われているかということを覚えておく程度で妥協した。
シラバスの7~8については演習問題に軽く目を通し、本文はほぼ読まなかった。
Study-AI
日本ディープラーニング協会のWebページに、いくつか学習コンテンツが紹介されている。その中で、Study-AIというサイトで模擬テストと解説が無料公開されていた。模擬テスト240問、公式例題解説36問がある。スマホでも操作可能だったので、通勤の電車の中でひたすら解いていた。よく出てくる用語でうろ覚えのものについて重点的に復習した。問題集は買わなかったが、ここで多くの問題に触れられたことはかなり効果があったと思う。
受験後の感想
法律問題や、各国のAIに対する取り組みに関する問題が予想より多く出題されていたように思う。公式テキストの演習問題は読めば解けるような問題しか載っていなかったが、知識がないと解けない問題ばかりで勘に頼るしかなかった。シラバス7~8もしっかり対策しておくべきだった。しかし感触としては全体的に解けており、落ちる気は全くしなかった。
ところで受験後にTwitterで「G検定」で検索してみると、Google検索用のPC用意してたけど解けなかった~といった声があった。試験である以上、インターネットや書籍の参照は禁止と勝手に思っていたが・・・いまいちその辺りのルールを明文化したものが見つからない。しかし受験した感じだと、Googleで検索しながら問題を解き進めていっても到底時間が足りないはずだし、調べればすぐ答えが分かるような用語問題を調べているようではほかの問題は絶対に解けないだろう。
今後のG検定
合否メールが送られてきたのは4/1だが、それより前の3/30にG検定のシラバス変更のニュースがあった。DL for DX(Deep Learning for Digital Transformation)というサイトが立ち上がり、AI For Eeryoneという無料のオンライン講座が提供される。それにあわせてG検定のシラバスを改訂するということらしい。今のところ詳細な情報がないが、新シラバスに対応した公式テキストも4月中に発売されるようだ。